いつものように新米が流通し始めた。ただ例年より約3、4割高値で、〝令和の米不足〟の影響は未だ色濃い。確か農家の高齢化に加え、米離れや減反政策により需要と供給が崩れ〝米余り〟となっていたはずだが、どういうことか▼地球沸騰化による収量減や品質の変化はあるものの、昨年の作況指数は101と平年並み。家庭の需要回復、インバウンドに伴う外食需要増をはじめ、南海トラフへの懸念や台風による備蓄需要増、そこに各社の報道が加わり消費者の不安を駆り立てたことが米不足を加速させた▼知り合いの小売店では常連客に加え、〝一見さん〟からの問い合わせが相次いだという。店に米を置くと在庫が枯渇し本当に必要な人に届かない懸念もあるため、調整が必要だったとも▼一過性か継続性があるのかまだ分からないが、食料自給率の問題を含め、岐路、窮地に立たされている米農家の実情や支援に目を向けるきっかけになってくれればと切に思う。