冬が寒いのは当たり前だが、ここ数日の寒波には閉口する。特に日本海側、県内では中通りから会津地方まで大雪に見舞われている。住む人の難儀を考えれば、浜通りは恵まれているだろう▼思い返せば2年前の1月24日、10年に1度と呼ばれる大寒波が日本列島を覆った。記憶をたどると、午後から少しずつ寒気が強まり、粉雪がちらついた。日が暮れるころには風雪が強まり、夜半にはさらに勢いを増した▼安全を期して路線バスを利用、どうにか帰宅したものの翌朝、室内のテーブルを見るとコップの飲みかけの水が凍りつき、水道の蛇口をひねると不規則な音とともに錆びた水が流れ出すなど、少年時代に体験した「昭和」の冬を感じさせた▼この寒気、まだ続くという。いわきは特に雪に弱いことから、一端積り凍結すると交通網は乱れ、日常生活に支障をきたすことになる。雪の気配を感じたら、早めの準備が必要。習慣通りの行動では、太刀打ちできない。
片隅抄