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28、29日 川前・鬼ケ城でブルーグラスフェス 四半世紀の歴史に幕
いわき市北部、川前町にある市内第2の高峰・鬼ケ城山(886・9m)の自然豊かなすそ野を会場に、長年にわたってアコースティックなサウンドと歌声を響かせてきた「鬼ケ城ブルーグラスフェスティバル」が、25回目となる今年をもって終了することとなった。
四半世紀にわたって会場としてきたレクリエーション施設「いわきの里鬼ケ城」が本年度をもって事業を停止することや、主催者・出演者の高齢化などに伴うもので、28、29日のフェスには、第1回から参加しているバンドや東日本大震災後から新たに加わった大学生ら約30バンドが出演する予定だ。
同フェスは、1997(平成9)年から毎年9月、市街地より一足早く秋の訪れを感じさせる川前の高原を会場に開催。県内のほか東京や仙台、遠くは名古屋や北海道から、バンジョー、フラットマンドリン、ギター、フィドル、ドブロギターといったアコースティックな楽器を使う愛好者たちが、ブルーグラスやトラディショナルフォークを演奏。周囲に人家がないことから、出演者も来場者も同じ空間で思う存分、2日間にわたるステージを楽しんできた。
音楽だけでなく、かつて鬼ケ城で飼育していた羊の仲間・サフォーク種の丸焼きやサンマ鍋、キジおこわ飯、汁物、川前産ワインなどを振る舞ったり、天体観測ができる市内屈指の特性を生かして星空観望会も同時開催して喜ばれた。
ファイナルステージは鬼ケ城の山村生活体験館で、28日が午後2時から11時まで、29日は午前9時から正午まで実施。夜間は今年も星空観望会を行う。入場無料。
フェス実行委員会の代表で、第1回から運営を手掛けてきた吉田昌繁さん(66)=内郷=は「思い出はたくさんある。屋外で開催したら土砂降りに遭ったり、大震災で中断を余儀なくされ、風評被害や出演者の高齢化もあって出演者が激減。それでもバンド仲間の絆で東北大学の学生らが新たに加わってくれてうれしかった。これでラストなので、たくさんの人にブルーグラスの音楽を楽しんでもらいたい」と話している。
(写真:フェスへの来場を呼び掛ける吉田さん)