昭和を代表する歌姫・美空ひばりさん(1937~89年)のブロンズ像が、ゆかりの地である平薄磯の「雲雀乃苑」に移設され、17日午前11時から除幕式が開かれる。
ブロンズ像はひばりさんの等身大で、東映太秦映画村(京都市)の京都太秦美空ひばり座に展示されていたが、今年4月に建物の老朽化で閉館したため、関係者の熱意によって移されることが決まった。
ひばりさんが1987年にリリースした「みだれ髪」は、塩屋埼灯台と海を見つめる女性を重ねて書かれた楽曲で、曲中には生涯で最も高い音が使われており、彼女の不屈の精神が表れている。作詞は数多のヒット曲を手がけた星野哲郎さん、作曲は戦後の歌謡界をけん引した船村徹さんが務めた。
ブロンズ像は同じ京都にあった「美空ひばり座」を含め、30年にわたってエントランスでファンを迎えてきた。
その姿は胸の前で手を合わせているため、東日本大震災の津波で亡くなった人を悼むとともに、これからの復興を願う思いに重なると、ひばりプロダクションがみだれ髪の歌碑が建つ雲雀乃苑への移設が提案。土地を所有する市も快諾し、防錆加工を施した上で移された。
ひばりさんの長男・加藤和也さんの妻で、ひばりプロダクションの加藤有香専務取締役は「東日本大震災をはじめ、皆さんが大変なご苦労をされている中で、少しでも観光振興の一助になればと思う。ぜひ多くの方に足を運んでもらえば」と話している。
除幕式にはひばりさんとの縁から、歌手の近藤真彦さん、いわき応援大使でテレビプロデューサーの石井ふく子さんに加え、司会としてフリーアナウンサーの徳光和夫さんが参加。全国から被災者視察を兼ねたファンが詰めかけるほか、地元からもステージイベントに協力する。
(写真:京都太秦美空ひばり座に展示されていたブロンズ像)
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