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東日本台風5年 いわき市で防災マチ歩きや訓練 有事に向けた備えを

 2019(令和元)年の東日本台風から5年の12日、いわき市では防災に向けた取り組みが企画された。このうち平第14区自主防災会(青木貴司会長)=山田屋醸造店主=では、地区内を巡る「マチ歩き」を行い、住民同士が自分たちの住む環境を確認した。
 同会は昨年9月に発生した線状降水帯による大雨の際、5年前の東日本台風時の教訓が生かされず、避難誘導で情報錯そうなどの混乱が生じたことを重視している。
 今回の「マチ歩き」は東日本台風から5年の節目と、記憶に新しい昨年の大雨から1年経過を機に、地区内の水路(江筋)や低地、浸水後の住宅地などを歩き、防災意識の共有を目的とした。
 平14区公民館(平字久保町)でコース説明が行われ、青木会長が「平14区には約330世帯がある。このうち1割が浸水懸念エリアにあるため、この地に住む私たちが万一の際にすべきことを考え、行動したいと思う」とあいさつ。参加した住民20人は同区エリアの平字久保町、七軒町ほか、隣接する好間町下好間など約3kmの行程を約1時間かけて巡った。

 平下平窪の下平窪第一公園では12日、設置されている応急給水所の使い方を確認する訓練が繰り広げられ、有事の際に備えた手順を学んだ。
 訓練は下平窪自主防災会(江尻光芳会長)が主催し、市水道局と地元の子ども会や市消防団、民生・児童委員から約30人が参加。平四小の児童6人も加わり、子どもから大人まで世代を超えて理解を深めた。
 この試みは夏井川が決壊した水害から5年とともに、今年に入って正月に能登半島地震、8月には宮崎県沖の日向灘で地震が起きており、自主防災会として災害のリスクを抑え、住民一人ひとりに防災意識を持ってもらおうと企画した。
 江尻会長は「少しでも多くの人に、災害に対する心構えを持ってもらえれば」と語っている。また訓練に先立ち、東日本台風で亡くなった人の冥福を祈るため黙とうを行った。
 (写真1枚目:防災意識を高めるマチ歩き 2枚目:応急給水所の使い方を確認する参加者)

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