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いわきFCにJリーグの社会連携活動表彰 認知症啓発の取り組み評価される

 サッカー・J2いわきFCは16日、選手・スタッフが「認知症サポーター」として活動した取り組みが評価され、Jリーグクラブの社会連携活動を表彰する「Jリーグシャレン!アウォーズ」のパブリック賞に選ばれた。式典が同日、東京都内で行われ、プレゼンターを務める政策分析ネットワークの田幸大輔事務局長から、いわきFCの運営会社・いわきスポーツクラブの大倉智代表取締役に表彰盾が手渡された。
 この表彰は2020(令和2)年に始まり、今年で5回目。いわきFCは初受賞。Jリーグ60クラブを対象に、ホームタウンで展開する社会連携(シャレン!)の中から、特に社会に幅広く共有したい活動に贈られる。パブリック賞は国や自治体が掲げる政策を活用し、地域の課題解決に向けて、多様なステークホルダー(利害関係者)と連携し、持続可能な活動である点が選考基準とされている。
 認知症サポーターは厚生労働省の施策で、認知症に対する正しい知識と理解を持ち、地域で認知症の人やその家族に対して、できる範囲で手助けする役割を持つ。
 いわきFCは市、NPO法人地域福祉ネットワークいわき、医療法人社団秀友会と「認知症になっても安心して自分らしく暮らせるまちづくり」を掲げ、選手7人・スタッフ5人が認知症サポーターの認定を受けた。
 背景には、2025年の認知症患者が約700万人に上り、65歳以上の5人に1人がなるとの推計がある。海外の研究では、頭でもプレーをするサッカー選手は、一般の人より認知症になりやすいとの結果が出され、日本サッカー協会もヘディングが脳にダメージを与える恐れがあるとして、子どもたちの練習にガイドラインを示している。
 こうした点から決して他人ごとではないと、保健福祉士の協力を得て、選手・スタッフが認知症の症状や行動心理、患者との接し方等を学んだ。認知症に関しては今後もSNSで発信したり、直接患者と触れ合う機会を設けたりして、クラブ全体でサポートし、広く啓発に努めていく。
 式典では、田幸氏が「いわきFCの活動はまさに、認知症患者との共生社会の実現に向けた素晴らしい取り組み。非常に複雑で困難な課題に対して、果敢にチャレンジした姿勢と、地道に継続している姿に心から敬服する」とたたえた。
 大倉社長は「私たちはスポーツを通じて社会価値を創造しようと、いわき市・浜通りで活動している。今後もスポンサーのロート製薬と協力し、香りと認知症の関係を探ったり、スタジアムでスポーツを見ることで、ウェルビーイング(心身の健康や幸福)につなげたりと、さまざまなことを続けていきたい」と語った。
 (写真:田幸氏から表彰楯が贈られた大倉社長(C)J.LEAGUE)

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