「酒は天の美禄なり。少し飲めば陽気を助け、血気をやわらげ、食気めぐらし、愁いを去り、興を発して、甚だ人に益有り」。江戸時代の儒学者・貝原益軒(1630~1714年)が『養生訓』で綴っている。多分に漏れず天からの〝頂き物〟を楽しんでいる▼主に平の繁華街・田町や白銀に足しげく通うが、その道すがら「3千円で飲み放題。かわいい子もいっぱいいるよ」などと声をかけられる。JRいわき駅周辺を対象に客引き禁止の条例があるが、こうした状況を踏まえ、10月から田町では啓発のアナウンスが始まった▼中には法外な料金を請求する「ぼったくり」を働く店舗もあるという。だが捜査関係者によると、最初にテーブルに付く女性は別料金であることが説明されているものの、酔っていて覚えていないトホホな話も……▼くだんの節は「多くのめば、又人をよく害する事、酒に過ぎたるものなし」と続く。酒はやはり節度を持って飲むものだ。