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いわき市 公立中学校の休日部活動 地域移行に向けたモデル事業始動

 いわき市では公立中学校の休日の部活動に関して、地域移行に向けたモデル事業が動き出した。子どもたちのニーズに応じた持続可能なスポーツ・文化活動の推進とともに、教職員の多忙化解消に向け、本年度から3年間の計画で行っており、複数の学校が一堂に集まる中で、指導者や実施場所の確保など課題も多いが、剣道からモデル事業がスタートした。
 市教委によると、いわき市の公立中学校の生徒は2020(令和2)年度の8543人に対し、24年度は7519人と少子化の影響で減少している一方で、部活動に所属する割合は概ね8割で変わっていない。
 ただ部活動の数は減っており、20年度の367(常設268・特設99)から、24年度は329(常設245・特設84)に。特に団体競技が多い運動部が顕著で20年度の312(常設214・特設98)が、24年度は267(常設187・特設80)となっている。
 この傾向はいわき民報社が主催する大会からも分かる。3年生が引退した後とはいえ、いわき民報社黒獅子旗を懸けた中学新人野球は、20年度の28校・24チームから、24年度は26校・18チームと連合チームが増加。いわき民報社旗を目指す中学新人ソフトは、20年度の9校・7チームから24年度は3校・2チームで、最初から決勝1試合のみの開催だった。
 部活動の地域移行にあたり、市は5月に推進検討委員会を設置。モデル事業として、運動部は陸上、水泳、ソフトボール、バスケットボール、サッカー、剣道、文化部は合唱、美術、パソコンを対象にした。
 10月26日に初開催された剣道には、植田東中に市内11校から約60人が参加した。普段は会社員や市職員を務める市剣道連盟の担当者5人が指導し、初めは木刀による基本技の稽古や礼儀作法に始まり、単なる競技にとどまらず武道としての精神を伝えた。その上で防具を身に着けて竹刀を持ち、取り回しについて細かく教えていった。
 服部樹理市教育長は「基礎から非常にレベルが高い内容だった。学校によってどうしても技術にばらつきがあり、顧問の教員が専門でないこともしばしば。生徒たちにとっても、他の学校との交流がかない、有意義な時間だったと思う」と話す。
 その上で「実施に至るまでの調整に難しい部分は確かにあるが、メリットの方が多かったと感じる。部活動の地域移行に可能性を感じた」と語った。
 (写真:基礎から指導したモデル事業の剣道)

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