昔のことだが、旅先で時間を持て余していたところ、映画館が目に入った。上映作品は東宝の怪獣映画「ゴジラ」。1954(昭和29年公開の記念すべきシリーズ第1作だった▼おそらく40年近くブランクがあったと思うが、理由は深く考えず観覧した。それから年月を経て今年はちょうど70周年になるわけだが、4月末に前評判の高かった「ゴジラ-(マイナス)1・0」を見るため、小名浜のポレポレシネマに足を運んだ▼太平洋戦争時と終戦直後を時代背景に、人類史上例のない異生物による破壊行為になすすべもない人間たちの戦いを迫力ある画面と音響で堪能した。後日、テレビでも放送されたが比較は野暮なことだ▼絶滅した恐竜がDNAで復活する映画「ジュラシック・パーク」もあるが、残酷なシーンもあり好みではない。ゴジラ第1作は特撮技術もさることながら志村喬、宝田明、平田昭彦ら俳優陣もよい。知人にいただいたソフトをじっくり見たい。
片隅抄