総合物流業の「磐栄ホールディングス(HD)」(本社・泉町下川、村田裕之代表取締役)傘下の農業法人で、無農薬フリルレタスやオリーブ、ブルーベリー栽培に取り組んでいる市認定農業者「磐栄アグリカルチャー」(南台一丁目)は、オリーブの本場イタリア・トスカーナ地方に約47・5aのオリーブ農園を取得した。
同社としては初の試みで、本場の栽培技術をいわき市に取り入れ、国内でのより高品質な商品化を目指す。
磐栄HDでは本場の栽培技術や味についての知見やノウハウを生かし、生産量の増加や高品質なオリーブオイルの生産につなげようと、イタリアの農園取得に挑戦。同社傘下で、日本茶の輸出やオリーブの輸入を行うヘリヤ商会(静岡市、谷本宏太朗代表取締役社長)のネットワークを活用し、一昨年8月から取得交渉に取り組んできた。
その中で、トスカーナ州のルッカ県サンタンドレア・ディ・コンピト地区で農園を管理しているクラウディオ・オルシさんとの法的手続きを進め、昨年11月20日に取得に至った。
同農園のオリーブオイルはスパイシーで、ほどよい苦みとフレッシュな青さが残る本格的なエクストラバージンオイル。同社が取得後に収穫・搾油したオイルを瓶詰めした試作品を、現地のオリーブ品評会に出品したところ、外国法人としては異例となるアマチュア部門1位に輝いた。
今後は県内をはじめ、国内でも販売を目指す。村田社長は「実際に味見させていただいたが、これまで作ってきたオイル以上に濃厚な味わいを感じた。本場のノウハウをいわきでの栽培に生かし、将来的にはイタリアでの農地拡大や販売にも取り組んでいきたい」と展望を語った。
(写真1枚目:取得したイタリアのオリーブ農園=磐栄HD提供 2枚目:イタリアで生産され瓶詰めされたオリーブオイル)