最近、観賞をご無沙汰している映画『男はつらいよ』。DVDで全シリーズ所有するが、ゲストには数々の大物俳優が花を添えている。記憶にあるだけで田中絹代、嵐寛寿郎さんらに加え、歌舞伎界からは13代目片岡仁左衛門さんが出演している▼1982(昭和57)年公開の『寅次郎あじさいの恋』では京都の陶芸家に扮した。頑固一徹な感じを漂わせ、どことなく北大路魯山人をイメージさせたが役柄同様、本人も人間国宝である。マドンナは先日亡くなられた、いしだあゆみさんだった▼役ではしっとりと落ち着いた雰囲気ながらも、寅次郎の心をかき乱す場面もあった。『金曜日の妻たちへ』など女優としての活躍が多かったが、こちらは昭和40年代に耳にした『ブルー・ライト・ヨコハマ』に尽きる▼先だっても第20回NHK紅白歌合戦に初出場し、この歌を披露した映像を見たばかり。昭和の時代には、ふいに口ずさめる曲があったが、今はとてもついていけない。