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豊間中に開設の避難所 震災知らない生徒たちも率先協力「積極的に助けたい」
30日にロシア・カムチャツカ半島付近で発生した巨大地震に伴い、いわき市に一時出された津波警報。東日本大震災で甚大な津波被災を受けた薄磯地区では同日、避難所の開設前にもかかわらず、地域住民や近くの福祉施設の利用者と職員が次々と豊間中(平薄磯)に身を寄せた。
同校には教職員や卓球部とバレー部の部員たちがいたが、津波注意報の報道を受けて部活動を中止し、隣接する豊間保育園の園児は中学校の2階に垂直避難した。
すぐに職員と両部活の生徒たちが総出で体育館にマットや椅子(いす)、テレビ、ラジオを設置するなど避難所の準備を進めた。午前10時58分の開設後も熱中症予防のために避難者にペットボトルの水を配布するなど、運営に協力した。
『震災を知らない世代』の卓球部の鈴木秋仁さん(13)=2年=は「初めて設営準備に取り組んだので、苦労したところもあったが、震災の時はもっと大変だっただろうと思って頑張った」と話す。
同校では震災の教訓を後世に伝えていくため、語り部から当時の状況などを聴く取り組みを行っており、鈴木さんは「困っている人がいたら積極的に助けていきたい」と、同級生や後輩と一緒に避難者のケアに努めていた。
(写真:豊間中に開設された避難所)