夏の全国高校野球でベスト4が出そろった一方、秋のいわき支部大会が始まった。今度はセンバツに向けての熱い戦いが繰り広げられる▼7年ぶりに夏の福島大会を取材する機会を得て、ヨークいわきスタジアムで行われた聖光学院と会津北嶺の決勝に赴いた。会津北嶺が先制しながらも、最後は聖光学院が勝利をつかみ取る様子を間近にし、久しぶりにワクワクした。まさに「栄冠は君に輝く」の歌詞の風景が広がっていた▼いわきでは甲子園プロジェクトが始動した。野球による地域創生を目指した取り組みで、子どもたちに甲子園という分かりやすい目標を通じ、地元で大成してもらう狙いがある。高校野球を巡っては指導者も重要となる▼東北に初めて深紅の優勝旗を持ち帰った仙台育英の須江航監督は「想像力は優しさ」と説く。選手たちに対し、他者の気持ちを想像する力を養う大切さを呼びかける。相手を思いやることは、年代問わずどんなことにもつながる。