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認知症への理解深めて 笑顔広がる1日限り「注文をまちがえる食堂」

 9月21日の「世界アルツハイマーデー」に合わせ、県内の認知症の人たちと子どもが一緒におもてなしをするレストラン「注文をまちがえるみんなの食堂」が同日、平南白土二丁目に1日限定でオープンした。
 若年性認知症と診断された妻とともに、30年以上にわたりフレンチレストラン「レストラン シェ栗崎」を経営してきた栗崎透さん(63)が中心となった取り組みで、店内は栗崎さんが腕によりをかけた逸品を味わい、給仕を務めた認知症患者と子どもたちとふれ合う利用客たちの笑顔であふれかえった。
 間違いが起きても、忘れることがあっても、みんなで『ま、いっか』の精神で取り組む、一般社団法人注文をまちがえる料理店(和田行男理事長)提唱のイベント型レストラン「注文をまちがえる料理店」。
 認知症の状態にある人がホールスタッフを務める活動で、2017(平成29)年に始まるとすぐに話題となり、賛同者は瞬く間に世界に広まった。
 栗崎透さんは妻容子さん(63)が5年ほど前に若年性認知症を発症した後、公益社団法人認知症の人と家族の会福島支部で、同じ悩みを持つ家族との交流で、この活動を知った。
 容子さんの症状が進むなか、従来の規模の店を維持していくことが難しくなり、調理から接客まで目が届く小規模店舗を平字田町に開業した。
 平南白土の空き店舗は地域住民の相談を受け、子ども食堂(栗崎さんは食堂を運営するNPO法人いいのみんなの食堂の副理事長も務める)として開放している。
 栗崎さんによると、容子さんは平字田町のお店にも立ち、普段は笑顔を見せることも少ないというが、この日はにぎやかさに加え、子どもたちと一緒に接客する雰囲気が気に入ったのか、笑顔の連続。自らドリンクを渡したり、子どもにアドバイスする姿も。
 栗崎さんは終始厨房に立ち続けたためにホールの情景は分からず、スタッフに後ほど、その様子を聞いてびっくり。「刺激になったのかも」
 将来的には認知症の人たちに限らず、障がい者も働けるようなレストランをつくりたい、との構想も描いており、協力者への感謝の言葉を何度も口にしながら「思ったより反響が大きかった。機会があれば今後も行いたいですね」と語った。
 (写真:子どもと一緒に笑顔で接客する容子さん)

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