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内郷・白水阿弥陀堂の古代ハス 小学生も尽力で再生の兆し 復活願い種取り

 県内唯一の国宝建造物「白水阿弥陀堂」境域の浄土式庭園で減少傾向にあり、一時は全滅も危ぐされた古代ハスが今夏、多くの花を咲かせ、再生の兆しを見せている。
 庭園を管理する市と連携し、復活に向けてハスの苗を育てるなどの取り組みを続けてきた地元の内町、綴、高坂、宮各小学校の児童たちは2日、次世代への継承を目的に種を採取した。
 児童たちは地元内郷、いわきの宝でもある白水阿弥陀堂を彩る古代ハスの完全復活を願い、泥まみれになりながらも丁寧に蜂の巣のような花托(かたく)やこぼれ落ちた種を集めた。
 白水阿弥陀堂の浄土式庭園内の池に群生する古代ハスは毎年夏になると、白やピンクの花を咲かせ、国宝の景観を形作る『財産』として親しまれてきた。
 しかしハスをエサとする外来種のアカミミカメやアメリカザリガニ、イノシシの増加に加え、2019(令和元)年の東日本台風で泥が流入するなど、さまざまな環境の変化が重なったことで茎の枯死が目立つようになり、21年ごろからハスの大幅な減少が確認されたという。23年9月の豪雨災害でも大量の泥砂が流れ込んだことも影響した。
 市では22年度から、内郷地区の小学校やサポーターらと連携してハスの再生に着手。御堂のある成願寺で育った株や、各校の児童が大切に育てた苗を順次池に定植し、さらに池周辺にイノシシなどが入らないよう電気柵を設置。カメを駆除したり雑草を刈り取るなど、地道にハスの環境整備に尽力してきた。
 それらの活動が実り、昨夏は池の東側でまとまった数のハスが開花。今年も6月末から咲き始め、7月から8月上旬にかけて見ごろを迎えた。市によると、22年度以前と同じ規模に戻りつつあるといい、地域を担う子どもたちの環境保全に向けた意識を高めようと、初めて種の採取会を開催した。
 (写真:ハスの花托や種を採取する児童たち)

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