子どもが高校に進学した際、学習教材としてタブレット端末の購入を求められた。教科書と幾冊もの参考書、筆記用具をこれでもか、と学生鞄に詰め込んだ世代からすると、軽いカルチャーショックを受ける▼急激に進む教育のデジタル化の波には逆らえず、「必要だから」とつい先日、下の子にも端末を買い与えた。分からないことがあれば簡単に検索し、学校側が勧める授業の動画を自宅に居ながら見ることができる。何とも便利だ。GIGAスクール構想の一端を垣間見た▼が、2台も端末を買えば軽く購入費は10万円を超える。子どものためと思いつつも薄給世帯にはかなりの痛手だ。そして疑問も募る。画面を眺め楽しく分かりやすく学習できるのはいいが、「書く力」が低下しやしないか。書くことで記憶に残り、考える力も高まるのに▼デジタル先進国の北欧では紙に回帰する動きが始まっているという。本市の教育現場でも疑問の声が上がりつつあると聞く。