自転車のヘルメット着用が努力義務化されたとき、少し大げさ過ぎるのではと思ったが、今はそれが間違いだと気づく▼警視庁によると、自転車の死亡事故で約7割の人が頭部に致命傷を負っており、ヘルメットを被っていなかった人の致死率は、被っていた人に比べて2・3倍にものぼる。この数字からしても、ヘルメットが自分の命を守る重要な道具であることが分かる▼数々の実験でも、ヘルメットの有効性が証明されている。警視庁の調べでは本県のヘルメット着用率は27・0%で全国平均の21・2%を5・8p上回った。全国順位も昨年の14位から11位に上昇した。県警では、高校生に対する指導の徹底や啓発活動の結果と喜ぶが、1位の愛媛県の70・3%には遠く及ばない▼若者の中には髪型が乱れるといって、ヘルメット着用を嫌がる人が少なくない。守るべきものは髪型よりも自分の命ではないか。自転車に乗るときはヘルメットの着用をお忘れなく。