残念な問題がまた発生した。愛知県日進市で開かれた「にっしん夢まつり・夢花火」大会で、川俣町で製造された花火の打ち上げが取りやめられた。放射能を心配する市民からの苦情を受けての措置だった▼福岡県福岡市でオープン予定だった本県産野菜を取り扱う店も、地区住民からの苦情の電子メールなどを受け、中止に追い込まれた。花火も、出店の中止も放射能汚染の懸念が理由に挙げられている▼今回、いずれも西日本での出来事だった。小名浜機船底曳網漁業協同組合がまとめたカツオ初水揚げの報告書の中に仲買人の感想として「福島産への風評は東西に二分される。西の方がひどい」とあったのを思い出した▼東京電力福島第一原子力事故による放射能漏れの影響が、衣食住すべてに暗い影を落としている。何をするにも放射線量や内部被曝を気にしながらの生活に、疲れ果てている。福岡や愛知での一連の出来事も風評被害を受けている1人として悲しい。