あす1日は、いわき市制施行から45年にあたる。男子に例えるなら厄年もすぎ、これまで培った経験から次のステップに臨もうとする年齢だろう。だが節目の年に大きな試練が待ち構えていた▼尊い人命を奪い、多大な物的被害などをもたらした東日本大震災。さらに東京電力福島第一原発事故による放射性物質の流出と追い打ちをかける風評被害。そのただ中で迎える記念日もやや複雑な気がする▼震災後、公的行事の多くが中止に追い込まれたが半年すぎ、前年同様に開かれた催しもある。その1つが市内小学校音楽祭。28日、いわき明星大体育館での平方部同祭では15校の4年生が合唱奏を披露した▼開演前、全児童が「いわき市歌」を歌った。/あふれるのぞみ いわき/ゆたかなながめ いわき/みんなで呼ぼう 幸せをここに―。シンプルな歌詞とメロディーと思っていたが、無垢な子供たちの歌声は胸に染み入り、美しかったいわき七浜が脳裏に広がった。