先週の日曜日に行われたベースボール・クリスマスは盛況だった。現役のプロ野球選手たちが大挙していわきを訪れ、ごく普通の小中学生と気軽にキャッチボールをする――昔だったら考えられないことだ▼その少し前には常磐軟式野球スポ少の選手たちのために、人気選手だった古田、黒木、水野ら若手OBが来たが、〝近所の野球好きなお兄ちゃん〟といった気さくな指導ぶりだった▼野球に限らないが、今の子どもたちは本当に恵まれている。高価な用具やユニホームを与えられ、親は練習の補助はもちろん、試合ともなると献身的な声援を送る。指導者たちも競技力向上のための組織をつくり、さまざまなイベントを考案する▼ことしは〝感謝〟という言葉をよく耳にした。その言葉は重い。厳しい環境の中でプレーしてきた選手たちには、来季は「してもらう」から、一歩進んで「自分で考えて行動する」ように成長してほしい。それが何よりの恩返しになるはずだ。