先の大震災で再認識された家族の絆と一家団欒がどの家庭にもあった昭和の時代を見つめ直そうと企画された「おもいで映画上映会」が19日、勿来の関公園「吹風殿」で開かれる▼上映作品は『男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け』。寅さんファンなら、何度も繰り返し見た作品だろう。詩人三木露風の『赤とんぼ』で有名な兵庫県たつの市を舞台に、健気に生きる芸者ぼたんと寅次郎の交流を描く▼山田洋次監督が会心の脚本と呼び、数々の映画賞を受けている。いずれも故人だがマドンナ太地喜和子、日本画壇の最高峰と称される老人に宇野重吉、さらに戦前ソ連に亡命した往年の名女優岡田嘉子らの演技が光る▼先日亡くなった三崎千恵子さんも「とらや」のおばちゃん役で登場。「こうしちゃいられねぇ。俺、ちょっと行ってくらぁ」「ちょいとお待ちよ、寅ちゃん」。おなじみのやり取りであっても、笑みが浮かぶシーンだ。本編は午後2時からで、先着100人。