「遠野町にてみなさまのご理解を頂きようやく計画をする事が出来ました―」。事業主の用意した資料には、このような文章がさりげなく印刷されていた▼18日夜、上遠野公民館講堂で「いわき市遠野町仮設プレハブ計画(仮称)」の住民説明会が開かれた。会場には大勢の地区住民が訪れたが、冒頭から荒れ模様。まず男性が怒気を含んだ声で「資料が足らないよ」と叫ぶ▼説明が始まる前から、さまざまな発言が飛び交う。写真撮影は住民のプライバシーを配慮して、遠慮願いたいとのことだが事業主側では、なぜかビデオカメラで会場の様子を撮影していた。どう考えても、これはフェアではない▼震災復興に従事する作業員400人用の宿泊施設の建設計画。静かだった町に大勢の人間が移入する不安の表れだろう。巷間伝えられる所業に疑心暗鬼の面もある。中止の声に対し「作業員の管理態勢には万全を期す」と繰り返すのみ。成り行きを注視したい。