あす9日は母の日。年齢を問わず、さまざまな子供たちが母親に感謝の意を表すことだろう▼この日を迎えるたび、「では母親のいない子供はどんな母の日を迎えるのだろうか」と思う。死別や離婚など必ずしも母親と幸せな関係にある親子ばかりではない。感謝したくても、肝心の母親がそばにいない子供も少なくないだろう▼わが娘は生前の母親のぬくもりを知らず、笑顔の母親とはアルバムを開かなければ出会えない。だからこの日は、高校生になった今も〝ママ〟が好きだった花と好物のお菓子を買い、アルバムをめくりながら母親の思い出話をする。「この曲、どこかで聴いたことある」。いつだったか、そんなことを言っていたが、それは母親が子守歌代わりに娘に聴かせていた曲だった。娘の心の中でママは生きている▼子供にとって母親の存在は計り知れない。不幸にして母親がそばにいない子供にとって、心の中で母のぬくもりを感じる日であってほしい。