「偽装」か「誤表示」か?この2つの言葉で日本中に激震が走った。言うまでもなく、大手ホテルチェーンのレストランで、メニューに記載されている食材が使用されていなかったという事件だ▼バブル期のころか、グルメ志向が高まったこともあり、食文化にもブランド化が進んだ。食材の産地にこだわるようになったのだ。高級飲食店がもてはやされ、もちろんそのメニューにはブランド食材が並んだ。高くても美味しいものが食べたい。そんなニーズが後押しした。しかしそれは、客と店との信頼関係があってこそだ▼しかし今回の件でその信頼は完全に崩壊したといってもいい。保身のための苦しい言い訳をし「誤表示」だと言い切った。社長の辞任では済まされない、怒りを覚える▼いわきの海では、やっと試験操業が始まり、漁業再開に向けてやっと動き出したところだ。今回の「偽装」いや「詐欺」ともいえることが、新たな風評被害を生むことがないことを祈る。