本県の刑法犯件数が平成15年以降11年連続で減少したことが、県警のまとめで分かった。ただ喜んでばかりもいられない現実も▼内容をみると、万引、空き巣、自転車盗が大幅に減少した半面、なりすまし詐欺や暴行、傷害などの粗暴犯、さらには自動車盗、置引、自販機狙いが増加。全体的な数字は減ってもなりすまし詐欺のような、だれもが被害者となりうる事件が、増えているからだ▼市内3警察署でも、関係団体の協力を得ながら未然防止に努めてはいるが、現実問題として増加傾向に歯止めがかからないのが実情だ。飲酒などの悪質運転でも分かる通り、いくら罰則を重くしたり、取り締まりを強化しても、ある一定の成果は得られるが撲滅には至っていない▼警察の力にも限界がある。地域の安全を守る考えで、住民と警察が協力することがこれまで以上に重要になってくる。市内でも自治会が主になって、防犯に力を入れている団地もあると聞く。地域の力で犯罪抑止を図りたい。
片隅抄