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片隅抄

2010.03.22

 「石麻呂に吾物申す夏痩せによしというものぞ鰻とりめせ」。鰻は古来から夏バテに効くスタミナ食として認められていたことを物語る大伴家持の歌だ。その鰻、今年は高値になるかもしれないと懸念されている▼今や鰻は養殖が主流で、国産のものはマリアナ海域から日本の沿岸に戻ってくる稚魚(シラスウナギ)を捕獲して育てる。漁の時期は11月中旬から5月まであるものの、最大の需要期「土用の丑」までに出荷するには前年のうちに養殖池に入れないと間に合わないらしい▼ところが今年はその時期にかつてない不漁で、仕入れ価格が高騰して養殖業者が十分な量を確保することができなかった。中国産や台湾産の鰻が大量に出回る中、値上げをめぐって苦慮しているのだという▼食は安全安心であることが絶対だ。国産鰻が不足して高値となっても、再び産地偽装のような消費者の目を欺く行為だけは願い下げにしたい。ちなみに今年の土用の丑の日は7月26日。

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