県内公立学校の教職員異動が24日に発表された。学びやを巣立った卒業生同様、教職員にとっても長く時を過ごした学校との別れは万感迫る思いがあることだろう。別れと旅立ちの3月に流される多くの涙もまた、日本の四季の風物詩といえる▼悲しい別れがあった。高校ラグビーの指導者の猪狩万造さんが逝去された。勿来工業と平工業を5度花園に導いた名将。タッチライン際に座って戦況を見つめるお決まりの姿は、もう見られない▼万造先生にはラグビーのイロハを教わった。素人の質問にも丁寧に付き合っていただいた。自らが率いるチームを愛情込めて「俺んち」と呼ばれていたことが印象に残る。過去の記事を読み返すと座右の銘には「一生感動、一生青春」とあった。最後までグラウンドを大切にされた方だった▼一昨年の花園。取材後「お疲れさまな」と声を掛けていただいた。出張取材で疲れた心と体に染み入る言葉でした。ご冥福をお祈り申し上げます。