週末の深夜。某テレビ番組に釘付けになった。内容は90年代に一世を風びした洋楽特集。小林克也氏の絶妙な曲紹介に心酔しながら、懐かしの名曲の数々に聞き入った。どの曲も、今耳にしてもなお色あせない新鮮さにあふれていた▼大学4年間はレンタルCD店でバイトした。仕入れ管理を任されることもあり、市場をリサーチしながら流行曲を仕入れる一方で、洋楽に関しては個人の趣味に走って聴きたいCDを夜な夜なフロアで流していた。4年間にどれぐらいの枚数を聴いただろう。テレビから流れてくる楽曲とリンクするように、ジャケットが鮮明に頭に浮かんできた▼時代が変わっても受け入れられる永遠のスタンダードは存在する。詞、メロディーライン。唯一無二の基本軸が一過性ではない厚みを作り出し、風化されない記憶を人々の心に残す▼ものづくりに携わる人間として、ぶれない基本軸だけは持ち続けたいと思う。不易流行の言葉を今、心に刻みたい。