就職氷河期と言われる中、やっと企業に勤めることができた新入社員も、入社から1カ月がすぎ、会社の雰囲気にも慣れてきたことだろう▼先ごろ、全国紙に新入社員の意識調査が載っていた。日本能率協会が実施した調査で「成果主義と年功序列主義どちらの企業を選ぶ」の問いに、年功主義と答えた人が前年より8・6?と多い50・4%。これは01年以降では最高値だという▼「転職、独立よりも、定年まで勤めたい」も50%で、昨年より6・9?増えた。こうした新入社員の職業に対する志向について、同協会は「将来への不安の強さがその背景にあるのではないか」と分析する▼一方で、思っていた仕事と違うと早々に退職する若者も少なくないと聞く。不況からどの企業も正社員雇用枠を狭めている今、新卒者の就職も大変なのに、転職組は更に厳しいものがある。仕事だから嫌なこと大変なことはたくさんあると思う。ただ辞めた後の現実も知るべきだろう。