家電リサイクル法が施行されて12年になるが、電気電子製品のリサイクルに関する社会制度や技術力の面で、日本は世界の先端を行っているそうだ▼エコで地球に優しいことがキーワードとなる一方で、価値ある希少金属(レアメタル)を含む資源としても注目され、電気電子機器の廃棄物への関心は国際的に高まっている。しかし、多くの国々ではリサイクルの環境が整わず、廃棄物が国境移動しているのが現実だ▼受け入れ先となっている国々では環境汚染が深刻だ。90%が廃棄物処理工場で働くという中国のある村では、児童の70%以上が鉛中毒で、死産や早産の率も異常に高いという。水俣病などと同じ「生物濃縮」が起こっているのだ▼原因は処理方法が未熟なためといってしまえばそれまでだが、問題は世界の適正な廃棄物リサイクルがうまくいっていないことにある。資源有効活用と地球環境保護のためにも、〝リサイクルの国際標準化〟への期待は大きい。