サッカーW杯決勝トーナメント1回戦。日本代表はPK戦の末に敗れた。駒野選手だけが無情にもゴールを外してしまったのだった▼スポーツにはミスが付きものだが、時としてそれが勝敗に直結する場合もある。陸上でいえばリレーでのバトン落下がそうだ。野球でいえば9回裏2死満塁。平凡な外野飛球を捕れば試合終了だったのに、まさかの落球で逆転負け。選手たちはそんなミスをしばしば犯してしまう▼高校野球が人々の心をとらえて離さないのは、取り返しのつかないミスをしてしまった発展途上にある選手の気持ちが共感できるからだ。チームメートに支えられて泣きじゃくりながらグラウンドを去る君にわれわれは呼びかける。「誰だってミスはするんだよ。さぁ顔を上げて!」と▼直後こそショックに打ちひしがれていた駒野選手だったが、帰国後はさわやかな笑顔で前向きな発言をしていた。ミスは別の形で取り返せる。多くの子供たちに手本を示した。