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片隅抄

2010.07.05

 もうすぐ子どもたちは夏休み。昔を振り返り思い出すのは、読書感想文だ。最後まで残してしまう宿題の1つだった。とはいえ、そのころ読んだ本が、自分にとっての大切な1冊にもなっている▼長崎原爆に遭った兄妹を描いた『八月がくるたびに』、怖い本だったという印象が一番強い。巻頭から、とても児童書とは思えないメッセージがあり、それが原爆の悲惨さを痛烈に伝えていた。戦争を考えるきっかけになった▼ところで本を読む・読まないは、習慣だと思う。多忙でも読む人は読むし、暇があっても、本に興味のない人が手を伸ばすことはない気がする。また日常には、読書で得た知識以上に実体験が物言うケースが多いことも事実で、本離れも進んでいる▼しかし成長過程において本の役割は大きく、幼少からの読書習慣はあった方がいいと思う。ならば夏休み、子どもたちにはより多くの本に触れ、自分の1冊を見つけてほしいと思う。そう今年は国民読書年。

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