あらゆる文書がパソコンで済む便利な時代になったとはいえ、社会生活の中で手書きであることを要求されるシーンは多々ある。そこで恥ずかしい思いをするのが下手な字と文字の間違いか▼きれいな字を書くには書き順を守って、良い手本を基に練習を重ねることが一番のようだが、字の間違いは笑い事では済まぬ場合もある。誤字を平気で使い、書けない漢字はひらがな書きの提出書類に、大学や企業が対策に乗り出す例が増えたと報じられたのは今春のこと▼職業にもよるだろうが、字を書く機会が減っているのは若者ばかりではない。ある意識調査では、漢字が書けない・読めないことに恥じらいを感じた人が約7割に上るという▼国語力そのものの低下に悩む国はいくつもあるが、アメリカのように〝勉強の基本は国語力〟として、国語に力を入れている国もある。世はまさに英語必須の時代。でも国語力が未熟では、英語の表現も貧弱になりはしないのだろうか。