1分は長いか短いか――「短いと感じる人が多いならまだまだ日本は大丈夫」。昨日の正午、そう感じた。終戦記念日の黙祷だ▼今年は戦後65年の区切りのせいか、テレビでも戦争特集が多かった気がする。イケメン俳優を起用したドラマや子ども向けニュース番組もあり、次世代へ、それを語り継ごうという意図も見えた▼ところで、近年の戦争特集で気になることがある。「やっと話す気になった」「今話さないといけないと思った」と語られる体験者の証言だ。そして体験者の中に、今なお自分が生き残ったことに罪悪感を感じている人の何と多いことか▼「家族や仲間を助けられず、なのに自分は…」と自責する声を聞く時、戦争の禍根は何十年たっても消えぬことを痛感する。と同時に、この苦しみを決して繰り返してはいけないと思う。これをしっかりと受け止めるべきはやはり若い世代。1分を短いと感じる若者がもっと増えることが、平和に不可欠だと思う。