福岡航空交通管制部が職場体験中の中学生に、飛行中の航空機と無線交信させた。「実際に交信を行うことで、いい思い出にしてほしかった」ということだが、もちろん内規違反として問題になった▼秋は中学生の職場体験シーズンである。毎年、弊社にも生徒たちが訪れ、記者の取材やコンピューターでの新聞製作、新聞配達といった体験をしてもらっている。管制官の行為は非常識だが、迎え入れる側の気持ちとしては理解できる▼しかし、残念なのは当の中学生たちからなかなか意欲が伝わってこないこと。年齢のことを考慮すれば仕方ないのだが、さて、ほかの業種の職場体験の現状はどうなのだろうか▼「私はこういうことを学びたい」という気持ちを自らの行動で、言葉で伝えてほしいのだ。後日礼状をいただくこともあるが、残念ながら内容はたいてい型通りになっている。迎え入れる側は、中学生のために門戸を開いている。チャンスを有意義に生かそう。