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片隅抄

2011.04.20

 東日本大震災から1カ月以上が過ぎ、その後を見ようと町から山へ抜ける道を走ってきた。表面上は落ち着きを取り戻したかに見えるが、屋根瓦が落ちたままだったりと、修理の手が入らない家屋が目立った▼道路の復旧も相次ぐ余震の影響から、山に入るほど片側通行や陥没注意の看板が増える。そんな中、桜前線は確実に北上を続け、山肌は見事な桜色に染まっていた。例年であれば桜を愛でながらのお花見となるところだが、今年はそれどころではないというのが本音だろう▼ただ、いつまでも下を向いてばかりもいられない。復旧への道のりがいかに厳しく困難であっても、とにかく前に進むしかない。市内でも地震や津波によって家を失くしたばかりか、肉親までも失くした人も少なくないだろう。しかし、時間だけは明日に向かって時を刻み続けている▼被災者の心にもいずれは見事な桜の花が咲くことだろう。希望を失わず、復興に向けて頑張っていこう。

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