福島第一原子力発電所の事故収束に向け、東京電力が現況を踏まえて、新たな工程表を発表した。ステップ1で3カ月程度、ステップ2で3~6カ月程度とした、1カ月前に発表された工程表と、安定状態までの目標日程に変わりはなかった▼今回、1号機の炉心溶融(メルトダウン)が明らかとなり、これまで行ってきた冠水(水棺)を事実上断念し、循環注水冷却に変えた。また、余震・津波対策や現場作業員の生活・職場環境の改善も、新たに盛り込まれた▼だが、本当に、工程表の予定通りに目標が達成されるのか、疑問が残る。1号機の炉心溶融が、東北地方太平洋沖地震発生約4時間後には始まっていたことなどが、最近発表されるなど、東電を見ていると、まだ隠していることはないのか、勘繰りたくもなる▼ただ、現状では作業を見守ることしかできない。工程表通りに作業が進むのはもちろん、日程の前倒しも含め、一日も早い原発事故の収束が望まれる。