東京に行くたび感心させられるのは、エスカレーターでの光景だ▼世界に冠たる大都会。さまざまな人間がエスカレーターに乗っているのだろうが、当たり前のようにステップの左側に整然と並んでいる。そして先を急ぐ人が空いている右側のステップを上がっていく▼例えばJRいわき駅前のラトブのエスカレーターではこうはいかない。1つのステップに2人、3人が立ち、中央で荷物を置いて動かず立ちっぱなしの人もいる。エスカレーターを使う人の中には先を急ぐ人もいるのだ。運動のため上っていこうとする人もいるだろう。だが悲しいかな、ステップを占拠され、「すみません…」と申し訳なさそうにお願いしてどいてもらうしかない▼後ろから上ってくる人がいるのに、意に介さずステップを譲らない人があまりに多い。もしエスカレーターにマナーがあるとすれば、それは思いやり、譲り合いのマナーに通じる。いつか東京のような光景を見たいものだが。