沖縄県には8年前の11月に一度行ったことがある。かつての市観光物産協会の人たちと一緒だったが外出時、夕方の気温が20度で快適だったことを覚えている▼翌朝乗ったバスの中で、地元の若いガイドさんが「今朝は寒いですねぇ」と震え上がっていた姿がおかしかった。太平洋戦争での悲惨な歴史が語られることの多い沖縄だが、古来から培われてきた独自の文化には見るものがある▼17日、高倉町の高蔵寺で沖縄民謡の第一人者古謝美佐子さんが出演する「なこそ復興ライブ 琉球の調べコンサート」が開かれる。沖縄ポップグループ「ネーネーズ」初代リーダーで現在、ソロで活動する古謝さんが情感あふれる歌声を聞かせる催しだ▼当初、文楽人形師の吉田勘緑さんとのコラボレーションだったが、吉田さんの病のため古謝さんのみの公演になった。夏の夕方、三線の音とともにしっとりした島唄を楽しむのもいい。チケットは当日、会場で購入できる。
片隅抄