奈良大和路の古社寺、仏像などの撮影をライフワークにした写真家入江泰吉。好きな作品の中に真っ青な空と湧き上がる積乱雲を背景に唐招提寺の伽藍を収めたものがある▼別名入道雲。外出した際、空を見上げるともくもくと覆い被さるような姿が目に入ってくる。夏らしい感じもするが、発達しすぎると思わぬ雷雨を招くことがある。昨日も外回りから戻る途中、積乱雲を見た▼午後になると空は一転、掻き曇り天地を揺るがす雷鳴と激しい雨が降り出した。「ゴゴーン、バリバリ」と大きな音が響き、あわててパソコンの電源を切った。もう20年近くになるが、平の夏井川堤防に落雷があり、高校生1人が犠牲になった▼付近一帯は停電、ある会社のパソコンも不能に陥り大量の顧客リストが消滅したことがあった。さて昨日の豪雨でまたも錦町の大島ガード下が冠水した。6月にも同じ事態が起こり、乗用車1台が水没したが未然に防ぐ手立てはないものか。
片隅抄