ほんの一言で心安らぐことがある。「○○さん、お疲れさまでした。お気をつけて」――山形自動車道の、寒河江市に近いあるインターチェンジ出口の料金所でのことだ▼いつものように被災証明書と免許証、通行券を見せて受け取ろうとしたら係りのおじさんにこう言われた。どういう心境で名前まで添えてくれたのか知る由もないが、意外な心遣いがうれしかった▼運転者との対応マニュアルに「お疲れさまでした」「お気をつけて」の一言を添えることが明記されているかどうかわからないが、料金所でたまに無愛想そうなおじさんに対応されると、あまりいい気はしない▼コンビニやスーパーのレジでの対応もまたしかり。釣り銭の渡し方ひとつでも店員さんによってさまざまだ。両手で包むようにそっと渡す人もいれば、半ば放るように渡す人もいる。そこは当人の人柄や性格が表れるのだろうが、小さなことでも利用者の印象が随分違ってくることを知ってほしい。
片隅抄