今年春のセンバツ出場校が決まった。夏の選手権大会のような派手さはないが、センバツなりの楽しみも多い▼その1つが、負けたら終わりのトーナメント戦ではない選考方式。福島県で言えば支部大会、県大会、東北大会で1度は敗れてもチャンスはある。平成9年にセンバツ出場を果たした平工も県準優勝、東北はベスト4だった▼成績だけにとらわれない21世紀枠もそうだ。だから北海道の女満別という無名の公立校も名だたる私立強豪校と肩を並べられる。『江夏の21球』で知られる山際淳司さんの『スローカーブを、もう一球』のモデルで2人の首相を輩出した群馬県有数の進学校・高崎のプレーを見られるのもセンバツならでは、だ▼もう1つの楽しみは開会式の入場行進。夏は毎年決まっているが、春はその時代を象徴する曲が選ばれる。古くは軍歌だった。今年はAKB48の『Everyday、カチューシャ』。球児たちのひたむきなプレーに期待しよう。