任期満了に伴う大相撲の理事選挙で、弟子の大麻問題や時津風部屋で起きた力士暴行死亡事件、朝青龍問題などの一連の不祥事の責任をとって理事長を辞任した北の湖親方が返り咲いた▼しかしこの人事、一連の報道を見ると世間では好意的に受け入れられなかったようだ▼世間の常識と離れた協会独特の体質は長く問題視されてきた。国技として固く守り継がねばならないもの、時代とともに改革しなければならないものがあるのだが、大きな問題を抱える中で、理事長としてどれだけリーダーシップをとれるのか、世間は疑問視したわけである▼今回の所信表明もそうだが、北の湖理事長の紋切り型のコメントがいつも気になって仕方ない。具体的な方針もなければ前任の放駒理事長のような必死さ、覚悟のほども伝わらない。ファンとしては改革が逆戻りしないことを切に祈るばかりだ。事なかれ主義のリーダーなどいらないのは、大相撲だけでなく国政もそうだが…。