旧名常磐ハワイアンセンター。現在のスパリゾート・ハワイアンズのことだが、今でも湯本町の人は親しみを込めて「センター」と呼ぶ▼鉄骨が網目状に組まれた天井を仰ぎながら、反響音のように耳に届いた人々の歓声。子どものころ、初めて足を踏み入れた館内の印象が今も残る。炭鉱から大規模な温泉施設への転換を図り、昭和41年1月にオープン。その歴史はご存じの通り▼いわき市の観光拠点として大勢の集客を誇り、映画『フラガール』のヒットも人気に拍車をかけたが、先の大震災で休業を余儀なくされた。そのハワイアンズが8日、11カ月ぶりにグランドオープンを迎えたことは、市民にとって明るい話題だ▼同町に店を構える知人は「震災後、人出はめっきり減り、これからどうなっていくのか…」と嘆く。原発事故による風評は、観光地湯本にもダメージを与えているが、同館の全面再開は一筋の光明といえる。現状回復に向け、希望を持ちたい。