人の悪いはいわきの平―年配者なら一度は聞いたことがあろう。不名誉ないわれようだが、背景には地元を支えてきた産業の影響がある▼常磐炭田全盛の時代、いわきには全国各地からの多数の労働者がいた。そんな雑多な人々で形成された社会では、ルールの維持が難しいことも多く、その中でつぶやかれるようになった言葉でもある。逆に、その雑多性が当地の特徴でもあった▼先月来スポーツサイト「ランネット」の大会レポが楽しみだ。サンシャインマラソンへの書き込みを読み「心のこもった応援に感動」「こんないい大会ができるいわきはすごい」など、満点に近い評価ににんまりする。「人の悪いは…」といわれてきたはずの故郷が絶賛されるのが、何よりうれしいのだ▼今当地には、他地域と比較して、昔のような突出した特徴はないが、ランネットの書き込みの一部を借りれば「すべてが温かいいわき」。これが末永く一番の特徴たるよう、願ってやまない。
