「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもの。本格的な春の訪れはまだだが、少しずつ春めいてはきている▼それにしても2月29日の大雪には参った。低気圧と寒気の影響で市街地でも10㌢の積雪を記録、この雪で各地で路面凍結による車のスリップ事故や転倒しケガをする人が相次いだ。冬用から夏用タイヤに交換しないでよかったと思った。自然が相手だけにまだまだ気が抜けないということか▼ところで春は卒業、入学、そして就職の季節。大学や専門学校への進学が決まり新生活に胸躍らせている新規高卒者がいる一方で、東日本大震災と円高不況で景気が冷え込み、今もなお働き口が見つからず就職活動を続けている高卒者がいると聞く。早く就職が決まり、彼らのもとにも春が来ることを願いたい▼あの震災から1年たった今も、市内のいたるところにがれきが山のように積まれている。放射能の除染対策も課題で、いわき市民にとっての春はまだまだ遠い。
片隅抄