昨年5月の連休中、双葉郡から避難してきた友人を連れて裏磐梯をドライブした。震災から2カ月目を迎えようとする時期だった▼途中の高速道路も有料観光道路も車はまばら。磐梯山を望む五色沼といえば、連休中は毎年、車を止める場所がないほど混雑を見せる観光の名所だが、あまりの人影の少なさにがく然とした▼「2年ぶり」という文字を目にすることが多い。震災と原発事故の影響で、昨年は春から初夏にかけてさまざまな行事が中止となった。震災から1年がすぎてもまだ多くの問題を抱えている被災地だが、この春は各種行事が例年通り復活しようとしている▼スポーツ界もそうだ。昨春は子どもたちが外で思いきり体を動かすことができなかったが、今年は野球にソフトボール、サッカー、陸上とグラウンドに歓声が戻ってきた。ゴールデンウイーク期間中の観光地はどうだろう。渋滞はほとほとうんざりだが、やはり旬の観光地はそうでなければならない。
片隅抄