宮城県大崎市に「大崎タイムス」がある。昭和22年の創刊以来、同市でローカル紙を発行し続け、今年で65年を迎える。記念の式典が日曜日に行われ、抄子も行ってきた▼その会場で、石巻日日新聞の武内宏之常務と一緒になった。石巻の現状を聞くと、復興への手ごたえは感じつつも、地震と津波で破壊された町の再生はもとより、震災で財産ばかりか、かけがえのない肉親までも失った人たちの心の傷は深く、癒やしが訪れるにはまだ時間がかかると言っていた▼また話の中で、震災直後から、全国から寄せられた支援の数々が、どれだけ被災者の心の支えになったことか、それがよく分かった。今、被災地ではそれらの支援を胸に、復興に向けて懸命に頑張っている人たちがたくさんいる▼ただ、復興には時間もかかればお金もかかる。いわき市もそうだが、震災から1年以上が経過し、震災、原発事故への関心が薄れ支援の輪が広がっていかなくなるのが怖い。
片隅抄