京都大ⅰPS研究所長で同大の山中伸弥教授が今年のノーベル医学・生理学賞に輝いた。山中教授は、体のあらゆる部分の細胞になることができるⅰPS細胞(人工多能性幹細胞)をつくった▼ⅰPS細胞は、万能性を持つ細胞。今後の再生医療への実現に向け、早期の実用化が期待されている。受賞に際して、各メディアで山中教授の人となりを紹介していた。受賞時のインタビューにも真摯に答えている姿に、山中教授の人柄の良さが表れていた▼受賞と同じころ、ⅰPS細胞を使って治療をしたという男性が現れ、メディアの注目を集めた。ニュースを見ていると、話の内容が二転三転するなど不可解。男性も一部認めているが、虚偽の可能性が高いとみられている▼取本人から話を聴いて記事にする。本人に真偽などを確認しながら、説明を基に記事にするため、今回のことのようになる可能性は、ないとは言い切れない。「慎重を期そう」。自戒を込めて、そう思った。
片隅抄