秋が深まるにつれて、牛肉がうまくなるという。野菜、魚とともに旬があるようだが国産牛となれば、食する回数も限られてしまう▼以前、関西地方を訪れた際、老舗牛肉料理店で宴席があった。食通の作家が絶賛していた店でもあり、大いに期待したのだが前菜類が多く、お目あての牛肉が運ばれる気配がない。終盤、すき焼き鍋が用意されたが肉は数枚だった▼今、思い出しても「うまかった」という記憶はない。うまい物とは、ある程度の量を味わわないことには印象に残らないものだ。さて25日から長崎県佐世保市で「第10回全国和牛能力共進会~和牛の祭典inながさき」が開幕した▼5年に1度の開催で和牛オリンピックともいわれる。大会3日目の和牛審査競技会には、県代表として磐城農業高の3年女子生徒が出場する。今年6月の県学校農業クラブ技術競技大会家畜審査「肉牛の部」で同校初の最優秀賞を獲得し、大舞台に臨む。朗報を期待したい。